成功するから長生き?長生きだから成功する?

「コンラッド・ヒルトン」のお話を覚えていますか?

そうです、さくらちゃんとお話した、「ベルボーイがホテル王にのし上がったのではない。ホテル王がベルボーイをやっていたのだ。」というお話ですね。セルフイメージの大切さというお話でしたね。

確かに、その逸話も面白いのですが、彼の本来の偉業は、ご存知の通り100万室という客室数を誇るヒルトングループを創業したことです。でもそれは、ただ多くのホテルを創ったというだけではないのです。

実は「ヒルトンのホテル」は、「エジソンの電球」に似ているとも評されているのです。

トーマス・エジソンは「電球」を発明しました。そして照明というシステムの基礎を築きました。また、ヘンリー・フォードは「自動車」を発明したわけではありません。彼は「工場のライン生産方式」を発明しました。そして、工場生産というシステムの基礎を築きました。

これと同じように、ヒルトンは「ホテル」を発明したわけではありません。しかし、現代的なホテルの宿泊体験、特に出張における宿泊体験を発明し、近代的なホテル産業の基礎を築いたのです。その後の業界を変える発明として「エジソンの電球」にもたとえられるのです。

ホテル業界初の株式上場。海外に国際ホテルという概念を創る。ビジネスマンのためのホテルという概念を完成させる。部屋独立の空調設備。ルームサービスを常設。ラジオの常設。テレビの常設。ミニバーの導入。ホテル内に雑貨店・小売店を併設。1947年には全ヒルトンホテルで集中予約システムを導入。そして、コンピュータ化された予約システムは1973年に初めて導入しています。全て業界の常識を超える発明であり、近代ホテルの仕組みの基礎になっています。

1973年は、コンラッド・ヒルトンが死ぬ6年前、彼が86歳の時です。

さて、「コンラッド・ヒルトン」「葛飾北斎」「安藤百福」「ナイチンゲール」「ゲーテ」

突然ですが、あなたは この5人の名前を聞いて どのような共通点を思い浮かべますか?
「偉人」「成功者」などが挙げられると思います。もちろん大正解です。

実は、もうひとつの共通点があります。
全員、長生きなのです。

コンラッド・ヒルトン91歳
葛飾北斎90歳
安藤百福96歳
ナイチンゲール90歳
ゲーテ82歳

すごくないですか?平均年齢はなんと89.8歳!!

中でも「画狂」とも呼ばれた葛飾北斎は、平均寿命が40~50歳ほどの江戸時代で、90歳という驚異的な数字を叩き出しています。

そういえば、北斎は、米LIFE誌の「この1000年で最も重要なできごとと人物・100選」の中で唯一紹介された日本人だということ、皆さん知ってましたか?日本代表選手なんですよ。

北斎は1834年に出版した『富嶽百景』の跋文に、「73歳にして禽獣虫魚の骨格、草木の出生を悟り、86歳にして(その腕は)ますます進み、90歳にして奥意を極め、101歳にして神妙ならん。110歳にして、一点一格が生きるがごとくならん」と101歳までの目標を書き綴っているのです。目が点ですよね。

インスタントラーメンの開発者、安藤百福は「すべての人に十分な食料を行き渡らせたい」という大きな目標の元、61歳でカップヌードルの開発。91歳のときに、宇宙食の開発に乗り出すなど、晩年まで製品開発への意欲は衰えることを知りませんでした。これも、エネルギーにあふれていますね。

ナイチンゲールは、37歳という若さで一度過労に倒れるものの、奇跡的に死の底から生還し、その後、50年もの余生を過ごしながら、執筆活動を通じて医療や看護の発展に尽力し続けました。

ゲーテは、82歳で亡くなる前年まで「ファウスト」を執筆し完成させています。

彼らは、ただ長生きしたわけではありません。死ぬ直前まで何かを目指して行動しているのです。すごくないですか?何歳になっても生きがいや目的を持ち、意欲的に人生をまっとうする、そういった姿勢こそが長生きできた秘訣なのかもしれませんね。

安藤百福も「人生に遅すぎるということはない」という名言をのこしています。

「成功する人は、夢や目標をもって意欲的に生きている結果、長生きしている。」のか、
「成功している人は、年齢にかかわらず、常に夢や目標に向かって行動している。」のか、私には解りませんが、ここに挙げた人たちは、人生を楽しむ達人だったと思います。

今、皆さんは、どんな人生を生きようと思っているのでしょうか?