15230645_1118836914903453_2495884159526678503_nピナ・バウシュ『夢の教室』
娘が大学の芸術教育の授業で、生涯学習を研究する先生からお借りしたドキュメンタリー映像ビデオです。

ピナ•バウシュ、有名な舞踏家であり、伝説的なコレオグラファー(振り付け師)である彼女の存在を、
私は今日まで知りませんでした。
すっかりピナ•バウシュのファンになりました。

全くダンスを知らない40人のティーンを、
わずか10ヶ月間で見事に表現者にしてしまうという、
素晴らしいドキュメンタリー作品です。

 

 

 

不慮の事故で父親を亡くした少女や、
ヒップホップ好きの少年、差別を受ける少年など、
出身や性格もバラバラで、ダンス経験のない者ばかり。
オーディションを歴て、かつてダンスも知らぬ、ピナのことさえ知らないティーン達。

普段から感情を露わに出すこともできない、
演技とはいえ、露骨に感情表現することへの羞恥心、抵抗感と恐怖心いっぱいの少年少女達が、
徐々に自分の殻を破り捨て、感情表現が豊かになるティーン達の様子には、目を見張るものがあります。

怒り・悲しみ・嘆き・喜び・愛などの、人間から溢れる感情エネルギーを

自分の身体にあるものを、どう表現したら良いか、
どうしたらその感情を自分の全身を使って人に伝えるか・・・

そして、ティーン達は、度々舞台の中の”役柄”と”自己”との狭間で困惑をします。
全く自分と正反対の役柄を演じることに迷いを生じるからです。


images

 

 

 

 

 

やがて、日を追うごとに、

伝えたい、表現したい・・・

へと魂が入れ替わるように変容していきます。

自分の弱い部分と、時には熱く、時には冷ややかに向き合いながら、
苦悩と葛藤を繰り返していきます。

mqdefault

 

 

 

 

 

ピナやスタッフの愛あるプロの指導、
仲間達にあるラポール、
張り詰めた緊張感とみんなの呼吸の一体感、
一つの目標に向かう真剣な眼差し・・・

ティーン達は、環境に溶け込む毎に、顔つきもアクターへと移り変わります。
それぞれの個性に加え、役柄の個性が重なり合うことで数倍もの輝きを放っていきました。

もはや、演技ではなく役そのものに同化することで、どんどんと自信に満ち溢れてくる様です。

講演日までのわずか10ヵ月の中でです。

478229e9

 

 

 

 

 

 

 

 

まるで、志願した理由の答えを得た様に。
演技をすることで解き放たれたかのようです。

あの、人前が苦手な男の子、人見知りをしてしまう女の子、
か弱い声、人生の苦難におどおど、びくびくしていたティーン達に何が起きたのでしょうか?

多感な世代がダンスを体験をしながら学び成長していくプロセスは、
まさにアクティブラーニングの原点をみるようでした。

ピナという天才舞踏家と、
ピナが率いるヴッパタール舞踊団で活躍した2人のベテラン女性ダンサー、ベネディクトとジョーの指導は、
素晴らしいものです。

これは、ほんの一例でありますが、
世の中に「夢の教室」みたいな機会がたくさん増えていくと良いですね。

「人は変わる」人間の可能性は無限だな・・・そう感じました。